心のコリには、五感の解放がいちばん
人間の主要な感覚は、「視」「聴」「嗅」「触」「味」の五感です。
これらは、本来、動物が外敵から身を守りながら生きていくために備わっている重要な機能です。
ただ現代のように、ボタンひとつで何でもできるような便利な社会で暮らしていると、その感覚は鈍ってしまいます。
このままでは、心身の疲労サインにも鈍感になるばかり。生き物として心や肌で感じ取る力が希薄にならないように、五感の琴線に響くような生活習慣をもちたいものです。
五感を最も心地よく刺激してくれるのは、やはり自然。見慣れた街中の風景の風や匂い、また食卓に並ぶ食材などにも季節の変化を感じることができます。
逆に、心に余裕がないときほど、そうした表情には気づきません。
季節を感じることは、心のコリをほぐし、五感を育む安らぎのもと。自然の表情に、もっと敏感になりましょう。
五感を刺激し、疲れた心と体の調律を図りましょう
ちょっとした息抜きの時間が大切
いくら仕事が忙しくても、毎日同じ生活の繰り返しでは、心も「勤続疲労」を起こしてしまいます。
趣味やスポーツなど、自分が熱中できる時間をもっている人ほど、ストレスへの耐性も強く、健康管理も上手です。
もし、それが難しい場合には、日常生活の中で、毎日、10分だけでも、頭のスイッチをオフにして、心を解放する時間をつくりましょう。好きな音楽を聴いたり、お茶を飲んだりしてボーッとしているだけでもいいのです。
いわば、自分を取り戻すためのリセットタイム。心が柔軟になり、気持ちにも余裕が生まれてきます。
実践! 心身のコリをほぐすリフレッシュ法
入浴 ぬるめのお風呂で半身浴
ぬるめのお湯(37~39度)に、ゆっくりと20~30分つかりましょう。
上半身をお湯の外に出す半身浴なら、心臓にも負担がかかりにくく、温熱効果と水圧の効果で血液循環もよくなります。副交感神経の働きが活発になり、気分もリラックスします。
アロマテラピー 香りの有効成分が精神的な疲れを緩和
アロマポットやキャンドルに入れて楽しむだけでなく、ハンカチに少量を含ませ枕元に置いたり、お風呂に数滴入れて「ハーブバス」にするという使い方もあります。
香りが漂う中でそのまま10~20分、昼寝をするのもお勧めです。疲れの回復度もぐっと違ってきます。
主なアロマと心身への効果
●ラベンダー……緊張と不安を解きほぐし、安眠効果も。
●ベルガモット…柑橘系の香りが爽快感を高め、明るい気分に。
●ペパーミント…清涼感あふれる香りで、気分をリフレッシュ。
●ゼラニウム……ローズのような香りで、ストレスを緩和。
ハーブティ 自律神経を整える「セント・ジョーンズ・ワート」
カフェインの含まれていないハーブティの中でも、「セント・ジョーンズ・ワート」は、精神安定の抗うつ薬として、ヨーロッパでは珍重されてきた薬草です。眠りのホルモン分泌を刺激したり、自律神経のバランス調整も行います。
ほかにも、緊張感をほぐすカモミールやマジョラムなどもお勧めです。
※ 服用している薬がある場合は必ず医師・薬剤師にご相談ください。
(この記事は教職員共済だより166号(2018年4月発行)に掲載されたものを再掲載しています)