そこが知りたい!自動車事故のはなし

2020年9月18日

「まさか自分が事故を起こすなんて…!」誰もがそう思うものでしょう。
しかしちょっとした不注意や偶然などで、事故を起こしてしまったり事故に巻き込まれてしまう可能性は排除することができません。車を運転する人なら誰にでも起こりうることなのです。
少しでもそんなリスクを減らすために、事故が起こりやすい状況や、事故回避のための情報をお伝えします。

事故の多い時間帯は?

教職員共済の自動車共済加入者の事故発生状況について調べたところ、2016年度~2021年度に発生した対人・対物賠償事故のうち、約4割が通勤時間帯に起こっていたことが分かりました。また、夕方よりも朝の方が事故が多いことも分かっています。

傾向として、出勤時は自宅近くよりも大きな道路に出てからの事故が多く、退勤時は「学校の駐車場内」や「もう少しで自宅」という場所での事故が多いようです。具体的な事故の事例を見てみましょう。

急いでいるときは要注意

 事例①

遅刻しそうになって慌てているのに道路は渋滞! 少しでも早く学校に着こうと車線変更を繰り返していたら隣の車と接触してしまった。

 事例②

いつも渋滞する幹線道路の交差点を迂回するため、狭い生活道路を日常的に利用していた。このルートだと10分ほど早く学校に着くので、そのうち家を出る時間が遅くなっていった。
ある日、思ったよりも渋滞が長く、迂回路に入るのが遅れてしまった。そのため幹線道路に左折で戻る際、あせって注意散漫となり、右から走ってきたバイクと衝突してしまった。

安心した瞬間こそが危険

 事例③

子どもを幼稚園に送ってから出勤する際、小学校の通学路を通過。子どもの動きは不規則で危ないと自覚しているので、通過する際は細心の注意を払っていた。
その後、子どもがいなくなった安心感から注意不足になってしまい、その先の狭い十字路交差点で右から来た車と接触事故を起こしてしまった。

 事例④ 

帰宅時に学校内の暗い駐車場で乗車。下校が完全に終わっていたため、生徒がいないという安心感から注意不足となり、右に駐車していた車両に衝突してしまった。

事故回避のためには

これらの事故を防ぐためには、どんなことに注意すればよかったのでしょうか。教職員共済の損害調査員からのアドバイスを紹介します。

①余裕をもって家を出る

電車通勤の場合は事故などで電車が遅れた際に遅延証明書が発行されますが、車通勤の場合は事故で渋滞が発生しても誰も証明してくれません。単なる遅刻と思われるのが嫌でついついあせってしまいます。
なんとかしようと普段は通らない道に入り込むとかえって事故の危険性が増してしまいます。できれば30分~1時間程度余裕をもって自宅を出るようにしましょう。

②あらかじめ安全な別ルートを探しておく

事故や工事による渋滞発生時のために、生活道路ではない幹線道路を通る別ルートを探して、日曜日等の空いている時に何度か走っておくこともよいでしょう。
いざとなったらそこへ行けばよいと思うと心に余裕が生まれます。

③安全な別ルートがなければ遅刻になってもあきらめる

安全な別ルートがなかったり、あっても他の迂回車で混雑が予想される場合は無理をせず、遅刻になるかもしれなくても元のルートを利用しましょう。
その際にかかってしまった時間がどのくらいかを覚えておき、以後はその時間分早く家を出るようにしましょう。

④衝突軽減装置などを装備する

駐車場内でアクセルとブレーキを踏み間違う事故が多発しています。本人はブレーキを踏んでいると勘違いしているため、車は止まりません。この場合は機械的に制御するしかありません。衝突軽減装置(衝突被害軽減ブレーキなど)は車の購入後には取り付けできないため、車を買い替えるタイミングで必ず検討してください。
また、ドライブレコーダーは車の購入後でも取り付け可能で、前走車や障害物に近づいたことを知らせてくれる「前方衝突警戒」などの機能を搭載したものも販売されています。事故回避のために、装着を検討してみてください。

 

安心して車に乗るために

気をつけて運転していても、残念ながら事故になってしまうこともあり得ます。そんなときは保険・共済の出番です。

教職員共済の自動車共済は、「公務中の事故」と「通勤中の事故」について、教職員のための特別な取扱いがあります。
通常、対人・対物賠償事故を起こした場合は、次回の契約更新時に等級が3等級ダウンし、掛金がアップします。しかし教職員共済の自動車共済では、どの契約コースにご加入でも「公務中の事故」の場合は等級据置とし、更新契約の掛金アップはありません。

また、「通勤中の事故」については『補償充実コース』に加入され、6等級以上を適用されている場合は同じく等級据置となるため、更新契約の掛金アップがありません(1共済期間につき1回)。

一番大切なことは事故を起こさないことですが、万一事故となってしまったときに安心できる補償があるのとないのとでは、心持ちが大きく違ってくるのではないでしょうか。
この機会にぜひご自身の補償の内容について確認してみてください。

 

(この記事は教職員共済だより167号(2018年7月発行)に掲載されたものを編集し、再掲載しています)