防災の日常化

2018年8月9日

災害は突然やってきます。いざというときに備えるには、日常的に防災を意識しすることがとても大切です。食料の効率的な備蓄方法など、具体的な取り組み方法を紹介します。

防災の日常化に取り組もう

「防災の日常化」という言葉をご存知ですか。防災を日常的に行うことで、防災の取り組みをより定着させようとする新しい考え方です。

例えば、ローリングストック法という食料の備蓄方法。備蓄した食品を定期的に消費し、食べた分だけ買い足す備蓄方法です。これは食料の備蓄を“日常”に取り込もうという方法です。

学校での、防災の日常化の取り組み方法

防災の日常化は、これまでも学校で取り組まれています。その模範的な例が避難訓練です。
繰り返し行われる避難訓練によって、子どもたちに防災意識が定着し、自分の身を守る行動が身につくという効果があります。

教職員共済だより165号『学校でできる防災の取り組み』で紹介しましたが、学校の昼休みの校内放送で、防災に関する日(例えば、9月1日「防災の日」)に過去の災害で何が起きたかを伝える。また、普段から携帯トイレをトイレの近くに備えておく。これらも、防災の日常化の取り組みといえます。

避難所開設時の部屋割りを常時表示

ある学校の教室の扉には、「避難所開設時会議室」「避難所開設時授乳室」といった表示が張りつけられています。これは学校が避難所となったとき、この教室がどういう役割の部屋となるのかを示しています。
表示しておくことで日常的に防災を意識できますし、避難所の開設もスムーズに行える、よいアイデアです。
皆さまの学校でも、参考にしてはいかがでしょうか。

継続がカギ

学校における防災の取り組みを定着させる上での課題は、「継続性」の確保です。
防災教育の中心となっていた教職員が異動になると、その後の活動が続いていかないことがあります。

消防署・消防団、自主防災組織など外部の力を大いに活用しましょう。
防災教育推進協会も、学校現場の要望に応えてジュニア防災検定、防災寺子屋、防災教育相談など、学校の防災教育を支援する活動を行っています。

著者プロフィール

一般財団法人 防災教育推進協会常務理事 笠間正弘

一般財団法人 防災教育推進協会常務理事 笠間正弘

1961年宮城県生まれ。子どもたちが自ら考え行動する真の“防災力”を育むため、「ジュニア防災検定」や「防災寺子屋」などの防災教育事業を行っている。著書『わたしたちの防災』