猛暑・熱中症対策

2018年8月9日

猛暑が続いています。学校では、スポーツや行事で児童生徒が熱中症となるケースも発生しています。
そこで今回は、学校現場などで、どう熱中症に備えるかお話します。

学校での熱中症対策

WBGT測定器で確認

まず、学校に備えたいのがWBGT測定器です。
WBGT(暑さ指数)は、気温・湿度・輻射熱から算出し、摂氏度(℃)で示されます。
25℃以上で「警戒」、28℃以上で「厳重警戒」が必要となります。

WBGT測定器がなくても、『Yahoo!防災速報』などのスマホアプリは暑さ指数情報をプッシュ通知してくれます。
環境省の『熱中症予防情報サイト』では、「暑さ指数(WBGT)の実況と予測」をチェックすることができますし、「暑さ指数 メール配信サービス(無料)」も申込むことが出来ます。

暑さ指数28℃以上では激しい運動をやめ、35℃以上では運動は原則中止とします。
暑さ指数は、熱中症予防の温度指標となるので、運動・スポーツを行う際は確認するようにしましょう。

瞬間冷却パックを活用しよう

瞬間冷却パックや保冷剤も備えておきたいもののひとつです。
瞬間冷却パックとは、硝酸アンモニウムと水の反応を利用したもので、高い冷却効果があります。

手軽に持ち運べ、事前に冷やしておく必要もないため、使い捨てカイロのようにいつでも使えて便利です。

経口補水液の備え

脱水症に備えて、失われた水分や塩分などを速やかに補給できるように、スポーツドリンクや経口補水液も準備しましょう。
軽度から中等度の脱水状態が疑われるときは、経口補水液が良いと思います。

ミストシャワーで涼しさアップ

ここ数年、色々な場所でミストシャワーを見かけるようになりました。
細かい霧状のシャワーで夏の暑さを和らげてくれるうえ、見た目も涼し気です。

蛇口にホースを繋ぐだけでミストが出る、簡易なミストシャワーも登場しています。
熱中症対策として、イベント時などに活用してはいかがでしょうか。

猛暑は自然災害と心得よう

地震・津波22,391人、雪害663人、風水害578人(平成29年版防災白書より)

これらの数字は、過去10年(2007~2016年)防災白書に掲載されている自然災害における死者・行方不明者数です。

同期間での熱中症による死者数は、なんと8,310人。
記録的な猛暑だった2010年は、熱中症で1,731人もの方が亡くなっています。

今年も記録的な猛暑で熱中症による救急搬送は昨年を上回るペースで増えており、連日、熱中症に注意するようアナウンスが流れています。

熱中症を引き起こす猛暑も、自然災害といえます。

著者プロフィール

一般財団法人 防災教育推進協会常務理事 笠間正弘

一般財団法人 防災教育推進協会常務理事 笠間正弘

1961年宮城県生まれ。子どもたちが自ら考え行動する真の“防災力”を育むため、「ジュニア防災検定」や「防災寺子屋」などの防災教育事業を行っている。著書『わたしたちの防災』