ある男性教員の体験記

2014年7月9日

男性が取得するケースは、まだまだ少ない育休。男性で育休を取るのはどうしたらいいのでしょうか? 2012年度に育児休業を取ったある男性の体験記を紹介します。

早めに校長先生へ相談しよう!

私は2012年度に1年間、育児休業を取りました。
ある学習会で育児休業を取った男性に講演をしてもらって、はじめて実際に男性で育休を取った人に会いました。その人が、二人目の子どものときに育休を取ったと聞いたので、私も三人目のときに取ろうかな、と思いました。

職場の理解をどう広めていったのかというと、その講演で「早いうちに校長先生に話した方がいい」というアドバイスをもらったので、8月末に校長先生に「来年の4月から育休を取りたいです」という話をしました。
校長先生が「家庭や地域を大事にしないと、目の前の子どもたちも大事にできない」とおっしゃる人だったので、助かりました。

育児休暇の良かったところ、難しかったところ

かくして5歳、3歳、1歳10ケ月の子どもを持つ専業主夫になりました。
振り返ってみると、子どもの成長を間近で見られるというのは、本当に幸せな時間でした。
でも、育児ノイローゼかな、というくらい落ち込んでしまうことや、社会と遮断されているような感じになるときもありました。最初はいろいろな勉強もしたいと思っていたのですが、そんな余裕は全くありませんでした。

育休の取得は、保護者への考えも深まる良い機会となりました。
それまでは保護者に、家庭学習をもっとみてほしいと思っていたのですが、実際に自分が子育てをしてみると、そこまで強く言えないと実感しました。

共働きの夫婦は短い時間で子どもと接して、いろいろなことをこなしているので、保護者の子育ての苦労は、われわれ教員の苦労よりもっと大きいものがあります。
また、保護者は子どもに日々接して、愛情を注いでいるわけですから、学校の先生がその子のすべてを知っているかのようにふるまうのはよくないな、と思いました。家庭の事情を話してもらえたら耳を傾ける、もっと対話をしないといけないとも感じました。

1年間のイクメンを終えてみて

私は人生の中で、仕事をがんばる時期と子育てをがんばる時期があってもよいのではないかと考えています。そこがあまり日本社会では理解されない気がします。
周りに男性で育休を取る人がいたら、「がんばって」とエールを送りたいですね。育児だけではなく、両親の介護も同様ですね。

こうしたことが、まさにワーク・ライフ・バランスなんだと思います。

(三重県 T.S様)