宝物ファイルを活用しよう!

2014年10月18日

「宝物ファイル」の活用法は、子どもたちが自分で見直す以外にも色々あります。私の活用法をご紹介します!

宝物ファイル、3つの活用法!

古いCMですが、キャラメルのCMで「1粒で2度おいしい!」というキャッチコピーが流れていました。
この宝物ファイルは作るだけでも楽しいのですが、それを活用するともっと楽しくなるのです。私は主に次の3通りの方法で活用しています。

  1. 子どもたち同士で見せ合う
  2. 子どもと教師が対話する
  3. 保護者会の個人懇談で保護者と一緒に見る

以下、実例でご紹介します。

1.子どもたち同士で見せ合う

子どもたち同士で宝物ファイルを見せ合う活動は、3学期に行っています。
見せ合いをして対話すると、子どもたちはとても仲良くなります。

見せ合い方は、2人1組でお互いのファイルを見せ合うスタイルです。
「Aさんの宝物ファイルを見るときは、Bさんが色々と質問してあげましょう。Aさんは、聞かれたことに答えてね。二人で話が弾むようにBさんは色々とツッコミを入れてあげてね。」という風に伝えます。

よくある質問に、「見せ合いを提案したとき、子どもたちが反対したらどうしますか?」というものがあります。その対策として、子どもたちが宝物ファイルを作り始める際「いずれ見せ合いっこをするからね。」と話しておくのもひとつの手です。
私の場合ですが、見せ合いに反対する子どもたちが3割以上いたクラスがありました。
理由を聞くと、「笑われるかもしれない。」「恥ずかしい。」などの声が上がりました。子どもたちは、今までそんな経験をしているのだと思いました。
「そうか、笑われたらいやだよねぇ。でも、ここで先生がなぜ宝物ファイルの見せ合いをしたいと思っているか聞いてくれる?」と言って私の気持ちを話しました。

4月の頃はよくケンカが起きたことや、クラスの仲が良くなかったこと。でも今はケンカも少なくなって、みんなの仲も少しずつ良くなってきたこと。「だから、もっと仲良くなるために、見せ合いをしたいのです。でも、1人でも嫌だという子がいたら無理にはしません。無理にしても楽しくないからです。」と言いました。
そして、もう一度子どもたちに聞くと、全員が賛成してくれました。
見せ合いが始まると、最初は緊張していた様子ですが、そのうちにあちこちで笑い声が聞こえはじめました。

ですが、緊張がほぐれないペアがいたら、教師も会話に加わってフォローしてあげることも必要です。

2.子どもと教師が対話する

学期に1回ずつ、「教育相談週間」があります。学校が用意したいじめに関するアンケートについて、子どもたち1人ひとりと話をします。
1人当たり、6~10分間位です。その時に、宝物ファイルを一緒に見ます。

すると、「へえーっ、この子、こんな物も入れていたんだ。」とか、「以前と比べるととても成長しているなぁ。」など、気づくことがたくさんたくさんあります。
子どもたちのいいところを改めて確認すると、ますます子どもたちのことが大好きになります。
だからこの時間は私自身、とても大切にしています。

3.保護者会の個人懇談で保護者と一緒に見る

通知表を渡してその内容について説明をさせていただいた後、「お子さんの宝物ファイルを一緒に見ましょう。」と言って、保護者の方と一緒に見ながら説明をさせていただきます。

すると、「家ではあまり学校のことを話さないので、こうして見せていただけるととてもありがたいです。」「友達からこんな風にいいところを書いてもらってとてもうれしいです。」などという感想が多数聞かれます。
保護者のみなさんに喜んでいただくと、私もとてもうれしいです。

東日本大震災以来、子どもたちとひまわりを育てて種を福島に送る活動をしています。そして、「ひまわり」という歌を作り、子どもたちと一緒に歌っています。少しでも被災地の人に元気になってほしいと願って。
そのことがご縁で、今年の夏、子どもたちがお台場新大陸に行ってステージで「ひまわり」を歌う機会をいただきました。そして、なんと、その模様がフジテレビのスーパーニュースで放送されました。子どもたちがお台場で歌えることになり、お礼のお手紙を送ったのですが、まさかそれが放送に使われるとは・・・ビックリの出来事でした。
「ひまわり」の歌は下記から全部聴けます。1人でも多くの被災地のみなさんに聴いてほしいと願っています。http://m.youtube.com/watch?v=3Tv89KiuEsE

著者プロフィール

一般社団法人子どもの笑顔 代表理事 岩堀美雪

一般社団法人子どもの笑顔 代表理事 岩堀美雪

福井県在住。元小学校教師(教師歴31年)。
子どもたちの「自己肯定感」を育むために、2000年から独自の「宝物ファイルプログラム」を実践。「NHK「クローズアップ現代+」や国連との共同制作番組等、マスコミ出演多数。全国の教育委員会、PTA、企業から講演・講座の依頼が相次いでいる。現在は福井大学子どものこころの研究発達センター特別研究員として研究に励む。
「自分を認め、お互いを認め合う世の中を実現したい」と本気で考える熱血元小学校教師。