子どもたち同士で長所を書き合おう!

2014年6月11日

だんだん厚くなってきた『宝物ファイル』。次に行いたいことは、「子どもたち同士で長所を書き合う」ということです。そのときに気をつけたいことはなんでしょう?

付箋に長所を書いて交換!そのためには…

「子どもたち同士で長所を書き合う」ことは、クラスの雰囲気がグッとよくなるステップです。
付箋にクラスメイトの「長所」を書き、プレゼントしあうのです。貰った「長所」は宝物としてファイルの中に入れます。
子どもたちの嬉しそうな笑顔、はにかんだような笑顔などステキな表情が見られるので、私も大好きな時間です。

ですが、「嫌なことは書かない」という大前提のもと(最初に子どもたちに「友達のいいところを書くときに、気をつけることは?」と問いかけて共通認識を持つとよいでしょう)、「子どもたち同士で長所を書き合う」上で気をつけたいポイントを5つ挙げます。

ポイント1 行う時期を考える

私の経験では、「子どもたち同士で長所を書き合う」この活動は、行う時期を見極めることがとても大切です。

クラスが1学年1クラスで、子どもたちが既にお互いのことをよく知っているならば、いつ始めてもいいでしょう。
しかし、2クラス以上ある場合は、2学期の後半か3学期が適当な時期だと思います。
お互いのことがよく分かり、クラスとしてのまとまりがより強くなってくる時期だからです。

ポイント2 道徳や学級活動の時間に行う

最初の1時間目は道徳の授業で行います。

その後は、学級活動の終わりの時間を15分ほど利用したり、朝の活動の時間(福井県では、1時間目の授業が始まる前に10~15分程度時間を取り、朝の活動を取り入れている学校がほとんどです。読書、漢字や計算のプリント等をしています)を使ったりしています。

ポイント3 全員に書くのかグループの子だけに書くのかを相談する

これは、先生方のご判断にお任せしますが、私の経験を申し上げると、できれば全員がいいと思います。

ただ、1年生を担任したときは、同じグループの子にだけ書きました。
その後、持ち上がりになり、2年生になった時に子どもたちに聞いたのです。
「1年生のときは、同じグループの子に書いたけど、今度はどうしたいですか?」すると、「クラス全員がいいです!」とみんなが答えたのです。

以来、クラス全員が全員に書くようにしています。

ポイント4 使う付箋の種類

付箋はいつも100円ショップで買っています。横10.5cm×縦7.5cmのものが好みです。これだと、A4のコピー用紙に横に2枚貼れます。

ただ、時にはそのサイズのものが無いことがあります。その場合は、横7.5cm×縦7.5cmの物を使用しています。
色は、ピンク、クリーム、ブルー、グリーンなどの薄めの物です。その方が書いた内容が読みやすいからです。

ポイント5 1枚書けたら見せに来るように伝える

子どもたちには、「1枚書いたら見せに来てね」と伝えます。
そして、たくさん書いてある子や詳しく書いてある子をみんなに紹介します。

すると、子どもたちは次からどんどんクラスメイトの「長所」を見つけられるようになります。

帰りの会が終わって子どもたちとさよならする時、曜日ごとにジャンケンや簡単なゲームをしています。そして、金曜日は土・日と会えないので、全員の子どもたちと「さよなら」の握手をして帰ります。長年このスタイルで続けてきたのですが、2年くらい前から、この金曜日のさよならにバリエーションが増えています。

  • 握手さよなら・・・目を見て「さよなら」と握手します
  • 膝抱っこさよなら・・・膝の上に抱っこしてさよならします
  • おんぶさよなら・・・背中におんぶしてぐるっと一回転してからさよならします
  • ギューッとさよなら・・・ハグハグしてさよならします
  • 肩もみさよなら・・・子どもたちが肩もみをしてくれた後、握手してさよならします

この中から子どもたちが今日はどのさよならにするかリクエストは一人一人自分で決めます。みんなにこにこしているので私も大好きな時間です。でも、実は、腰を痛めていたりすると「ごめんね。今日は腰が痛いからおんぶさよならはお休みね」なんてこともありま~す(笑)

著者プロフィール

一般社団法人子どもの笑顔 代表理事 岩堀美雪

一般社団法人子どもの笑顔 代表理事 岩堀美雪

福井県在住。元小学校教師(教師歴31年)。
子どもたちの「自己肯定感」を育むために、2000年から独自の「宝物ファイルプログラム」を実践。「NHK「クローズアップ現代+」や国連との共同制作番組等、マスコミ出演多数。全国の教育委員会、PTA、企業から講演・講座の依頼が相次いでいる。現在は福井大学子どものこころの研究発達センター特別研究員として研究に励む。
「自分を認め、お互いを認め合う世の中を実現したい」と本気で考える熱血元小学校教師。