「宝物ファイル」の必要素材

2014年2月5日

「宝物ファイル」をやってみたい! でも実際にはどうやって始めるの?
今回から、実際に宝物ファイルを始める具体的な手順についてご説明します。

宝物ファイルを始めるにあたって…

さあ、いよいよ実践が始まりますが、ここでひとつ質問です。宝物ファイルを始める時の準備として一番大切なものは何でしょう?

ファイルでしょうか?
写真でしょうか?
いえいえ、どれも違います。

それは、「子どもたちが自分のことを好きになって、幸せな人生を送ってほしい!」と願う先生方の強い気持ちです。

いずれ子どもたちは担任の手を離れていきます。その時に、担任が心の中にも目に見える形としても残せるもの。それが、宝物ファイルというプレゼントなのです。
あえて言わせていただければ、「この気持ちさえあれば、うまく行きます!!」

宝物ファイルに必要な材料はたった2つ!

気持ちはバッチリだという方は、次の物を準備しましょう。
事前に用意が必要なものは、以下の2つです。

1.クリアファイル

表紙は透明のものを選びましょう。透明であれば薄い色(クリーム、ピンク、ブルー、グリーン等)が入っていても構いません。
ポケットは30〜40くらいがいいでしょう。私は最近インターネットでファイルを購入しているので30ポケットを使用しています。

なぜ透明のものを選ぶのかというと、子どもたちが好きな絵を描いてひとつ目のポケットに入れるだけでオリジナルの表紙が出来上がるからです。
オリジナルの表紙だと、一目見ただけで個性が現れてくるので、とても楽しいですよ。

透明のファイルを使うと、中身がよく見えます。
(表紙の作り方については、次回詳しく紹介します)。

2.子どもたちの写真

「この写真は、今度宝物ファイルを作るときに使います。」と言って撮ります。
クラス替えをして間もないときは子どもたちも緊張しているので、5月頃でもいいでしょう。周りの子が笑わすと和やかに進みます。

もしも、写真を嫌がる子がいたら、その時は似顔絵でもいいよと伝えましょう。そして、しばらくしてもう一度聞いてみてもしもOKならその時に写真を撮ります。
難しそうであれば、似顔絵のままでもいいですよ。

写真は、宝物ファイルに最初に入れる『夢や目標』ページに使います。
(こちらも次回詳しくご説明します)。

先日教え子の成人式に呼ばれました。スーツを着て、見違えるように背が伸びた男子、晴れ着を着ていてとーっても可愛くなった女子。見ているだけでこちらも元気をもらえました。式が終わると、地元の公民館で茶話会が開かれました。そこに呼ばれたので、喜んで参加しました。
「大学2年生です。毎日が楽しいです!」「トリマーになります!」「毎日一生懸命働いて月25万の給料をもらってます!」「昨年11月に結婚しました!」どの顔も希望に満ち溢れていました。
お母さん方とも話が弾みました。「学校のことをほとんど話さない気難しい子でしたが、5年生で先生と一緒に逆上がりの練習をして、できるようになった時、私の手を引っ張って行って夜の校庭でライトをつけながら逆上がりを見せてくれたんですよ!あの頃から本当に息子は変わりました。おかげ様で今では明るくて優しい子に育ちました。」そう語ってくださったお母さんの涙に私もらい泣きしてしまいました。

著者プロフィール

一般社団法人子どもの笑顔 代表理事 岩堀美雪

一般社団法人子どもの笑顔 代表理事 岩堀美雪

福井県在住。元小学校教師(教師歴31年)。
子どもたちの「自己肯定感」を育むために、2000年から独自の「宝物ファイルプログラム」を実践。「NHK「クローズアップ現代+」や国連との共同制作番組等、マスコミ出演多数。全国の教育委員会、PTA、企業から講演・講座の依頼が相次いでいる。現在は福井大学子どものこころの研究発達センター特別研究員として研究に励む。
「自分を認め、お互いを認め合う世の中を実現したい」と本気で考える熱血元小学校教師。