2014年3月19日
生徒も教師も楽しめる授業を目指す
学ぶにあたり「ゲームみたいに楽しいならやる!」という生徒の希望を踏まえ、授業においては5つのポイントを掲げた。
- 数学の内容を深めることができるゲーム
- 誰でも興味を持って取り組めるゲーム
- 横断的な授業
- ハンデの協力、言語活動
- 教師自身も楽しめる
第一学年の「平面図形」の授業では、線対称・点対称の意味とその性質・特徴を理解することを目標とし、ここでは英単語を興味を持って探して、触れることができるようにしたいと考えた。
実際の授業
第一段階 平面図形の観察
アルファベット26個について、線対称のものには対称軸を、点対称のものには対称の中心をかかせた。
(※Kの字体は、斜めの線が1点から出ている字体を使う)
教室前方の両脇に、アルファベットを自由に折り曲げたり回転させたりできる模型を作っておいた。
第二段階 分類を行なう
線対称の文字、点対称の文字、線対称かつ点対称の文字、線対称でも点対称でもない文字の4通りに分類した。
線対称 | |
---|---|
点対称 | 線対称かつ点対称 |
線対称でも点対称でもない | |
第三段階 生徒たちに発見させる
アルファベットを用いて、線対称や点対称になる英単語を班ごとに作らせた。
英語の教科書、辞書、単語帳などを用いてもよいとした。
出てきた例は次のようなものである。
第四段階 ゲームによる理解の浸透
これまでの経験を踏まえて、線対称・点対称な単語作りゲームを行った。
ゲームのルール
- 各班で線対称英単語と点対称英単語を考え、紙に書く(縦でも横でもよい)。
- ピンクの紙(1枚)には、他の班が思いつかないような英単語を書く。水色の紙(7枚)には、他の班が思いつきそうな英単語を書く。
- 1班から順にピンクの紙の英単語を発表する。
- まず1班が発表する。その時に、同じ英単語を書いていた(水色の紙)班は、それぞれ書いていた紙を上げて「阻止」することができる。
- どの班も同じ英単語を考えていなかったときは、1班の得点は8点とする。
- その他の班が同じ英単語を考えていたときは、その班の数を8点から引いた点数が得点となる。同じ英単語を考えていた班は1点を獲得する。
もし、2班、4班、6班が同じ英単語を考えていたら、1班の得点は、8-3=5点、2班、4班、6班の得点は各1点とする。その他の班は0点とする。 - これを繰り返して、1班から8班まで回す。
ちなみに各班がピンクの紙に書いた英単語は、以下の通りである。
- 1班 MAY(縦に並べて線対称)
- 2班 BE(横に並べて線対称)
- 3班 MATH(縦に並べて線対称)
- 4班 SOS(点対称)
- 5班 TUTAYA (正しい綴りはTSUTAYA)(縦に並べて線対称)
- 6班 ICE(横に並べて線対称)
- 7班 SOS(点対称)
- 8班 YOU(縦に並べて線対称)
楽しみながら学んだ結果は…
班活動の場面では、線対称・点対称を調べるために、実際にアルファベットを折り曲げたり回転させたりする場面が見られた。積極的に英語の教科書や辞書を調べて、それぞれの英単語が線対称なのか点対称なのか、多くの班で議論が行われていた。
生徒の感想を見ると「楽しみながら線対称・点対称な英単語を見つけることができた」「線対称と点対称の意味がわかった」等の意見が多く見られた。
ゲームを班対抗として班活動を活性化させたこと、さらに題材を当時の教育課程では中1で初めて接する英単語という新奇性のあるものを選んだことが、十分に功を奏していると言えよう。