ネットに繋がるさまざまな機器
成人後にインターネットに出会った方は、「パソコン」「携帯電話」「スマートフォン」という順番で普及を経験されたことでしょう。
一方、いまの子どもたちには「ネットとの接点」がもっと幅広く与えられています。上記以外にも、「ゲーム機」「音楽プレイヤー (iPodなど)」「テレビ」「タブレット (教育用含む)」「デジカメ」「電子辞書」などがこれに含まれます。
保護者がこういった実態を知らずに買い与えると、「いつの間にかネットを使っていた」ということになりかねません。実際、子どもがトラブルを起こしてはじめて、ネットを使っていたことを知った・・・というケースは何度も聞いたことがあります。
自分自身は興味がなくても、子どもに買い与える前には「それがネットに繋がるかどうか」「どんなことができるのか」を知っておくことが大切です。
特に、ゲーム機や音楽プレイヤーは最初の入り口となりやすいので、慎重に考える必要があります。
子どもがネットで出会うトラブル
ネットのトラブルは多岐にわたりますが、大きくまとめると「人間関係」「使いすぎ」「犯罪被害 (加害)」に分けることができます。
「人間関係」のトラブルには、ネットいじめのような深刻なものから、友達との口論、ネット上の不快な表現、あるいは、不適切な投稿による「炎上」まで、大小さまざまな可能性があります。多数の人間が集まっている以上、避けて通れない問題です。
「使いすぎ」とは、勉強や生活に悪影響を与えるほど「ネットにハマってしまう」ことです。
ゲームにお金を使いすぎて、親のクレジットカードに何十万円もの請求がきた、というトラブルもここに含められるでしょう。
最後の「犯罪被害 (加害)」は、ときに生命に関わる重大な問題です。
小学生女子が、ゲーム機で知り合った相手と実際に会い、乱暴された、という痛ましい事件まで起きています。また、架空請求のような詐欺も横行していますので、注意が必要です。
さらに、子どもが加害者になる可能性も忘れてはなりません。
誰かをネットでいじめた結果、もし相手が自殺するようなことになってしまったら。あるいは、不適切な投稿で人権や著作権を侵害してしまい、莫大な損害賠償を請求されたら。
私たちは、ネットでのふるまいひとつで「子どもの一生」が損なわれる危険があることを、常に頭にいれておく必要があるのです。
買って欲しいと言われたら?事前にチェックしておきたいこと
「知らなかった」で困らないためには、使い始めが肝心です。デジタル機器を買い与える前に、これだけは確認しておきましょう。
1.ネットに繋がるかどうか
ゲーム機や音楽プレイヤーも、無線LAN経由でネットに繋がります。「我が家の無線LANは子どもには使えないようにしている」は残念ながら対策になりません。なぜなら、最近はコンビニなどが「無料で使える無線LAN」を解放しているからです。
2.写真機能の有無
写真は個人情報の流出に繋がりやすいので、撮影機能がある場合は、安易に写真を撮ってアップロードしないことを、よく話し合っておく必要があります。
3.ネットを通じてお金を使う可能性があるか
ゲームにお金を使ったり、音楽や漫画・イラストなどを買ったりする可能性があることを確認しておきましょう。併せて、「クレジットカードを子どもの分かる所に置かない」ということを徹底してください。
小さな子どもでも、意味を理解しないままにクレジット番号を打ち込み、大金を支払ってしまうことがあります。
3点挙げましたが、これはゲーム機や音楽プレイヤーにも当てはまることです。機能を把握したうえで、与えるかどうかを判断してください。
もし買う場合は、事前にネットの危険について話し合って、利用ルールを決めることをお勧めします (ルールに関しては、回を改めてご紹介します)。
子どもがネットを使うこと自体は、これからの時代の変化を考えれば決して悪いことではありません。しかし、子どもにすべてを委ねるのは大変危険ですので、保護者の目の届く形にすることが大切です。
今後の連載で、子どもがネットを安全に、そして上手に活用できるようになる方法について、ご紹介してまいりたいと思います。