あなたにもできる!身近な難民支援

2014年7月23日

教職員共済だよりがきっかけとなった講演会
教職員共済だより132号(2009年秋号)より始まった、連載「それでもここにあるふるさと」。世界中の難民問題を取り上げる本連載から生まれたエピソードを紹介します。

教職員共済だよりに連載の「それでもここにあるふるさと」を読んだ教職員の皆さまから、「私には何ができるの?」というお便りをたくさん頂きます。

「難民支援」と言うと、堅苦しく大袈裟で敷居の高いものに感じますが、皆さまには一般の人たちにはない大きな力があります。それは、子どもたちに「発信する」力です。 はじめの一歩は、今、世界で起きていることを正しく伝え、難民を特別な人たちと捉えるのではなく、子どもたちと一緒に「ひとりの同じ人間の目線」で考えることです。

遠い存在である難民問題を、子どもたち自身が自分たちの身に置き換えて考え、自分たちの言葉で語らせることから、すべては始まります。

教職員共済だよりが橋渡し
国連UNHCR協会事務局長の高嶋由美子氏が紫波第一中学校3年生へ講演

2011年9月9日、修学旅行で東京を訪れていた岩手県の紫波第一中学校は、研修の一環として「生き方に関わる講演会」を開催し、その講師として国連UNHCR協会事務局長の高嶋由美子氏(当時)が招かれました。

講演会を企画したのは、紫波第一中学校主任を務める川村雅代先生。

川村先生は教職員共済だよりに連載の「それでもここにあるふるさと」を読み、国際的な視野に立って難民支援活動を続ける高嶋事務局長に、今までの体験と「生きること・働くこと」の意義について、ぜひ生徒たちに語ってほしいとの思いから、講演を依頼したと言います。

講演会は、「難民ってどんな人?」「難民の人は日本にもいる?」などのクイズからスタート! また、「私たちの身近で突如、銃撃戦が起こったら、どうする?」「何を持って逃げる?」など、もし自分(生徒)たちが難民の立場になったらどうするか、といった視点も盛り込みながら、難民の実態や難民キャンプの様子などについて、スライドを用いながらわかりやすく説明しました。

さらに、難民を保護し、難民問題の解決へ向けた活動を行っているUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)や、その活動を支える国連UNHCR協会の役割について触れるととともに、難民支援の仕事の実態を、今までの体験に基づいて話しました。 「難民の人たちは、すべてを失っても前を向いてたくましく生きている。彼らからもらえるパワーや感謝の言葉は、お金では買えない大切な財産」と、仕事のやりがいを語りました。

最後に、高嶋事務局長は「物事の捉え方は、人それぞれ。自分と違う考えの人に対しても、まずは相手を『知ってみよう』という気持ちをもつことで、自分の世界も広がる」と伝えるとともに、「自分で決めてこそ、人生は切り開かれる。興味があることには積極的にチャレンジして、将来の仕事にやりがい、生きがいを見つけてほしい」と、メッセージを送りました。

「それでもここのあるふるさと」のバックナンバーは、楽しむ・応募・投稿内の「教職員共済だよりオンライン」からご覧いただけます。