令和2年7月豪雨 被害対応報告

2020年10月8日

2020年7月3日~31日の29日間という長期にわたって甚大な被害をもたらした令和2年7月豪雨。
この災害における教職員共済の対応状況についてお伝えします。

 

報告事業所一覧

熊本県 大分県 福岡県

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熊本県

災害発生からの状況
7月3日
  • 令和2年7月豪雨災害発生
  • 10以上の橋梁流失、約400カ所の道路が崩壊・流失
7月6日
  • 災害対策本部を設置、ホームページで被災受付フリーダイヤルを案内(本部)
  • 行政機関の災害派遣等を考慮し、1週間は情報収集&電話対応と決める(事業所)
  • 通信インフラも被災し電話もつながりにくい状況
7月13日
  • 現場調査開始
  • 高速道路を利用しても、現場まで片道2時間超
  • 復旧工事や災害派遣車両等により慢性的渋滞が発生
7月20日
  • 渋滞が緩和されはじめる

 

今回の豪雨災害をもたらした大気の水分量は、アマゾン川流量の2倍。八代海へ流出した土砂は、10tトラック8万台分(約40万㎥)。例えられても比較物の大きさに見当もつきません。
新型コロナウイルス禍における初めての災害で、ボランティアは県内在住者に限られました。人手不足は、復興支援の大きな足かせとなっています。

実際に現場調査へ赴いたとき、被害の大きさに呆然としました。報道は逐一確認していましたが、五感で感じる被災状況はその数十倍にも感じました。
組合員さん自身も2階の屋根から救出されたり、流されてきた人を助けたりと壮絶な体験をされていました。

また、現場調査に伺うと数日前に訪問した組合員さんが、息子さんを伴い高齢の組合員さん宅の手伝いをしておられました。さらに別の組合員さん宅を訪問した際も、以前現場調査に伺った別の方が水や食料のお裾分けに来られていたのです。
職域共済とはいえ、その繋がりの深さに驚かされると共に、ご自身も大きな被害に遭い復旧もままならない状況でも他人を案じ、手を差し伸べられる姿に胸があつくなりました。

現場調査を重ねると、調査する側も目の当たりにする状況に次第に気が滅入ってくるのですが、組合員さんのそうした姿や、前向きな気持ちに逆に救われました。

4年前の熊本地震では震度7の地震が2回も発生し、今回は桁外れの水害が起こりました。
経験則を遥かに上回る災害が続いています。これらを防ぐことは困難ですが、減災への努めと助け合いの大事さを痛感しています。

 

 

大分県

災害発生からの状況
7月6日
  • 災害対策本部を設置、ホームページで被災受付フリーダイヤルを案内(本部)
7月8日
  • 関係団体へ罹災状況の確認および対応についての文書を発信(事業所)
  • 被害の大きかった地域の支部に状況確認等を行う
7月10日
  • 現場調査開始

 

大規模な河川の氾濫により、予想を超える被害状況でした。
「エアコン室外機の被害」と連絡があり現場調査に伺うと、外壁汚損や軒下への土砂流入も確認され、電話で聞いていた内容以上の被害であったケースもありました。
一方、契約者の方は補償されると考えていたものが補償対象外であったケースもあり、お伝えするのが辛い場面もありました。

熊本・大分地震(2016年4月16日)の際にも被害に遭われ、申請された組合員さんからは、「以前も給付いただき助かりました。また、そのことがあったため、今回もすぐに連絡することができ、現場調査や請求手続きの対応も迅速にしていただき助かりました」とお声をいただきました。
また、今年度新採用の組合員の方からは 「火災共済と自然災害共済に契約した当初は、契約口数が多かったのではと考えたが、思わぬ災害に遭い、十分な補償が得られた。加入していて良かったです」とのお声をいただきました。

 

 

 

福岡県

災害発生からの状況
7月6日
  • 災害対策本部を設置、ホームページで被災受付フリーダイヤルを案内(本部)
7月7日
  • 本部に対し、対象共済の契約者抽出作業を依頼
7月8日
  • 被害の大きい地域の契約者に電話連絡
7月9日
  • 現場調査開始
7月10日
  • 幹事団体を通じて各学校へ被災受付案内をFAX送信

浸水被害が酷かった地域に、連絡の取れない高齢の契約者の方がいました。地域の方から情報提供いただき、本人と連絡が取れたときは非常に安堵しました。
家屋は、道路から高さ1メートル以上の基礎を作って建築していましたが、床上70センチ以上の浸水被害で、道路から冠水の高さは2メートルを超えていた状況でした。
また、今回は住宅地で広範囲の浸水被害があったため、家屋片付けのために軽トラックの渋滞が起こりました。そのため徒歩で現場調査に向かうことがありました。

被災地域の契約者に電話を入れた際、「電気が復旧した直後に自宅の電話がなり、それが教職員共済からの被害状況の確認だったので、対応の早さに驚いた」と声をいただきました。